「なんだか、ずっと苦しい」
特別、何かに困っているわけではない。
仕事がないわけでも、住む場所に困っているわけでもない。
けれど、ふとした瞬間に
「何のために生きているんだろう」って、虚無感に襲われる。
きっと、あなたは人よりもずっと、物事を深く考える人なんだと思う。
だからこそ、他の人が素通りする「生きる意味」という問いに、たどり着いてしまった。
そんなあなたに、この文章を届けたい。
まず、残酷で、けれど救いのある話をしよう。
人間は、長い年月をかけて進化してきた生物の一種にすぎない。
そして、すべての生物には、あらがえない一つの「プログラム」が刻まれている。
そのプログラムが指示することは、至ってシンプル。
それは「種(子孫)を絶やすな」というもの。
あなたが何を思い、何に悩み、何を成し遂げようと、
生物である以上、このプログラムの指示からは逃れられない。
そう考えると、「人生の意味」を問うこと自体、おかしいことなのかもしれない。
生物としての仕組みの中に、「生きる意味」なんていうものは最初から組み込まれていないのだから。
では、そもそもなぜ、あなたは「人生の意味」なんてものを探し始めてしまったのだろう。
朝起きて、仕事へ行き、眠りにつく。
そんな、昨日と同じ今日をただ繰り返しているうちに、ふと足元が心細くなる瞬間があった。
「このままでいいのだろうか」
「どこに向かっているのだろう」
そして、いつしかあなたは「何のために生きているんだろう」と考えるようになった。
つまり、あなたが本当に探しているのは、もともと存在しない「人生の意味」という答えではない。
「このままでいいのか、どこへ向かえばいいのか」
そんな、「人生をどう進めばいいかわからない」という目の前の切実な問題に、あなたは直面している。
あなたが本当に求めているのは、どこにも存在しない「人生の意味」ではなく、「どう生きていけばいいのか」という答えである。
では、どう生きていけばいいのか?
その答えは、プログラムがどう動いているかを理解すれば、自然と見えてくる。
「種 (子孫) を絶やさない」ためのプログラムは、種の生存に有利な行動をとると「報酬」がもらえる仕組みになっている。
有利なことをした瞬間に、脳の中で「よくやった!」と報酬が支払われる。
あなたはそれを「幸福」として感知する。
そして、またその報酬が欲しくて行動する。
つまり、「報酬をもらうために生きている」と言っても過言ではない。
だとすれば、人生をどう生きていくべきかという問いへの、極めて論理的な回答はこうなる。
「脳内報酬(幸福感)の合計値を、死ぬまでの間に最大化すること」
これこそが、賢くて感受性豊かなあなたにふさわしい、本当の「人生の作り方」である。
ただし、ここで絶対に間違えてはいけないことがある。
それは、プログラムが想定する行動の中で報酬を最大化することである。
薬物や過度なギャンブルなどは、プログラムの想定外であり、脳自体を壊すことにつながる。
では、どうすれば報酬を最大化できるのだろうか?
そもそも、「種 (子孫) を絶やさない」ための報酬とは、言い換えれば「未来へ命をつなぐための行動」に対して支払われるものである。
そのためには、まず、個体が「今」を生きていなければ何も始まらない。
だからこそ、脳が報酬を与える行動は、必然的に次の2つに分類されることになる。
① 「個体」が今、生き延びるための行動
例)
・お腹が空いたから食べる。
・喉が渇いたから飲む。
② 「種全体」が将来、生き延びるための行動
例)
・誰かと深く繋がる: 協力することで、生存確率が上がるから。
・「〇〇」になる: 環境が変わっても、誰かが生き残れる確率が上がるから。
そして、報酬の合計値を最大化しようと考えたとき、この2つには、無視できない決定的な違いがある。
まず、①の「個体が今、生き延びるための行動」は、達成した瞬間に報酬がもらえる。
そして、困ったことに「上限がある」という特徴がある。
お腹がいっぱいになれば、どんなご馳走も苦痛に変わってしまう。
一方で、②の「種全体が将来、生き延びるための行動」は、「上限がない」という素晴らしい性質を持っている。
なぜなら、個体が生存できる分の報酬には上限があるけれど、種の未来はどこまでも続いていくからである。
種の未来のための行動は、どれだけしても「もう十分」というゴールがない。
だからこそ、②の「種全体が将来、生き延びるための行動」の報酬には上限がない。
そして、上限がないからこそ、ずっとその行動を促すための仕組みが備わっている。
それは、微量の報酬を出し続ける「ボーナスタイム」である。
子供の頃を、少し思い出してみてほしい。
「〇〇になりたい」と夢見て頑張っていたあの時。
あなたは理由もなくウキウキし、一日中、エネルギーが溢れていた。
これこそが、「ボーナスタイム」の正体である。
「〇〇になる」という②を「追求している状態」そのものに対して、
脳は微量の報酬を出し続けることで、あなたをさらに突き動かす。
だからこそ、幸福の合計値を最大化しようと考えたとき、②の「種全体が将来、生き延びるための行動」が重要になってくる。
②は「満たされた瞬間に消えてしまう①」とは違い、「追いかけている間」もずっと、報酬が支払われ続ける。
この「持続力」こそが、人生の幸福の総量を決める重要な鍵となる。
では、どうやって、あなたにとっての②を見つけていけばいいのか?
その前に、ひとつ知っておくべきことがある。
それは、現代社会が、あまりにも複雑になりすぎたということだ。
文明が発達し、無数の生き方が存在する今の世界では、②の「何が種の生存に役立つのか」という明確な形は存在しない。
この複雑な環境のなかで、プログラムが「これは未来へ命をつなぐ行動(②)だ」と認定し、ボーナスタイムの報酬を出す条件は以下の通りである。
それは、「あなた自身がそれを『重要だ』と信じ、かつ『どこまで行っても終わりがない道』であること」だ。
そして、この「自分が重要だと認識している、終わりのない方向性」こそが、「価値観」である。
「価値観」とは単なる「好み」ではなく、本来は「どう生きるか」を指し示す人生の羅針盤である。
では、具体的にどうすれば、あなたの「価値観」を見つけられるのか?
そして、どんな「価値観」が良いのか?
もし、ここまでの話を理解し、納得できたのなら、ここから先が、手にするべき本題となる。
ここからの内容は、一生ものの価値観を手にし、幸福の合計値を最大化する人生を作っていくための、具体的な指針である。